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仕事で詰まってしまったときにいかに打開するか

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photo by photoloni

普段生活をしていて道に迷う人はほとんどいないだろう。海外旅行で見知らぬ街に行くと、道に迷う人は多くなるかもしれない。しかし、ガイドブックを開いたりGoogleMapを使うことで状況を脱することができる。

 

しかし、仕事で詰まってしまったときは抜け出すのが容易でない。はじめの兆候はささいなものだ。小さな矛盾や曖昧な部分が見つかる。「まァ、いいだろう」「そんなこともあるだろうナ」なんとなく流す。だんだんと仕事やプロジェクトがすすんでいくと、矛盾はますます増えていき、曖昧であった部分を明確にする必要がでてくる。

 

関係者と打ち合わせを重ね事態の打開を図ろうとするが、状況はより一層混乱していく。「こうすればいいんじゃないかな」「こういう方法があるよ」アドバイスや意見に従ってみるが、今度は別の問題が出てくる。こちらを立てればあちらが立たず。

 

やがて締切がやってきて、混乱したままの成果や製品が誕生する。誰の役に立つこともなく、誰の心を打つこともなくすぐに忘れ去られる。同じようなことは誰しもが経験するだろうし、現在進行形で苦しんでいる人もいるだろう。

 

詰まった状況を打開する方法

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仕事やプロジェクトが詰まってしまったとき、状況を打開するための有効な方法がある。この方法は、仕事やプロジェクトをすすめるのに有効であるばかりでなく、人生で起こる重要なライフイベントを前に立ち往生してしまったときにも有効だ。

 

その方法とは何か。

 

それを明かす前にある人のことを紹介しておこう。後ほどの話に関係があるからだ。

 

色川武大 雀聖:阿佐田哲也

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作家・伊集院静が書いた『いねむり先生』という小説がある。おそらくは作家ご本人がモデルと思われる主人公が人生の何もかもに見離されてしまったかのようなとき、「先生」との出会いによってどうにか生きていくことができるようになる、という話だ。

 

この「先生」のモデルになっているのが色川武大(いろかわたけひろ)で、阿佐田哲也(あさだてつや)名義の『麻雀放浪記』という作品が有名だ。漫画や映画にもなっているのでご存知の方も多いだろう。

 

学校に馴染むことができず、戦中・戦後という社会状況もあって、氏はバクチの世界で生きていくことを決心する。ナルコレプシーという、睡眠に突如襲われる病気を患ったり、幻覚に悩まされたりと、その人生はなかなかにしんどいものであったかと思う。

 

そうであるからこそ、氏の文章の下敷きには人間という愚かしくも不格好な存在に対する愛情が滲み出ている。

 

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さて、仕事やプロジェクトに詰まってしまったときにどうやって打開していくか、その方法についてである。僕はその方法を色川武大著『うらおもて人生録』という本で勉強させていただいた。この本は劣等生であった氏がどうやってバクチ・もの書きという世界を生き抜いてきたのか、その知恵が凝縮されたありがたい本である。

 

氏はバクチを例として引き合いに出し、負けが続いてスランプに陥ったら、うんとレベルを下げてみろ、という。レベルを下げて勝つ味を思い出し、自分のフォームが整ったらまた上のステージを目指す。負けが続いてスランプになっているときは自分のフォームが崩れている。だから、まずはレベルを下げて体勢を立て直そうというわけだ。

 

うんと最初に戻れ

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これを仕事やプロジェクトにあてはめるとどうなるか。これは「うんと最初に戻れ」ということになる。いろいろなことを検討し、様々な人のアドバイスや意見が積み重なって膠着状態に陥いったとき。何が何だかわからなくなってしまったとき。そんなときは「うんとはじめの方まで戻って」みるのだ。

 

そもそもこの仕事、プロジェクトの目的は何だったのか。自分がよく分かっていたのはどの段階までだったのか。

 

積み重ねられた手間と時間、それら一切が無駄になることを覚悟した上で、自分がよく分かっていた地点まで戻るのだ。途中まで進んだ上で引き返しているので、見える風景は最初と異なる。「こちらに行ってはいけない」ということがよく分かる。

 

詰まったら引き返す。

 

これを繰り返すことで、少しずつではあるが、あるべき方向に向かって進んでいくことができ、詰まってしまった状況を打開できるのだ。

 

人生で起こる大事なライフイベントで迷ったときも処方箋は一緒だ。進学、仕事、結婚。悩んでしまい、どうしたらいいのか見当がつかなくなったら、「そもそも自分はどうしたいのか」という基本に戻って考えてみるといい。そうすれば、少なくとも今までとは違ったことを考えはじめ、何らかの手掛かりを得られるはずだ。

 

参考