スーツを着るときに知っておいたほうがいい幾つかのこと

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photo by Carlos D' Araya

春である。街を歩いていると真新しいスーツに身を包んだ就活生や新入社員と思われる人たちとすれ違う。すれ違いざまにチラリとみるのだが、どうも格好がチグハグだ。しかし、チグハグなのは若い人たちだけではない。おじさんのスーツ姿もなんだか妙だ。

 

おそらくスーツに関する基本的なことを知らないのではないか。スーツは幾つかのポイントを押さえることで全体の印象が引き締まり相手に与える印象が格段に違ってくる。以下にポイントをまとめてみたので参考にして欲しい。

 

なお、この記事は二十代から三十代の男性がビジネスでスーツを着ることを想定して書いているが、それ以外の年代の人や女性にとっても参考になるハズである。

1 まずは自己紹介

記事を参考にする人のために簡単な自己紹介をしておく。記事をどのように、どの程度まで参考にするかという目安にして欲しい。

  • 十年以上の事務職経験者(今は自営業)。勤め人のときは毎日スーツを着て仕事をしていた。
  • 勤めていたのは保守的な雰囲気の職場。
  • 一時期オシャレに凝ったことがあり、スーツ、シャツ、靴をオーダーしていた。
  • 今回の記事はそのころオーダーしていた店のおじさんから教えてもらったことや雑誌や本を読んで参考にしたことのうち、自分の経験上納得がいったことをまとめたもの。

2 スーツ

何よりも大切なのは自分の体型に合ったものを選ぶことである。

 

上着の袖丈に注意して欲しい。目安は腕をおろした状態のときに中に着ているシャツの袖が1.5センチメートルほどのぞくことである。これは大切なアクセントになるので要注意!

 

色は濃紺か濃いグレーが基本となる。最近は黒のスーツを着ている人も多いが、黒は夜のパーティーなどで映える色だ。昼の日差しや室内の蛍光灯の光のもとではふさわしくない。また文化的にいっても黒は祝いの席や葬式で着る色だ。普段使いは控えたほうがいいだろう。

 

柄は無地かストライプがいい。無地は安い生地だとのっぺりとし、ぺらぺらした印象を与えてしまう。ストライプがオススメだ。ストライプもペンシルストライプやピンストライプ(細くてストライプ同士の間隔もせまい)などのなるべく目立たないものが好ましい。

 

パンツはイスに座ったりすることで劣化するので、同じものを二本そろえたほうが経済的だ。

3 シャツ

シャツの色は白かサックスブルーと呼ばれる薄い青が基本だ。なお、サックスブルーのシャツは濃紺のスーツと相性がいい。

 

無地が基本となるが同色の模様やストライプが入っていたり適度な光沢があるといいだろう(そうしないと中高生のような印象になってしまう)。

 

ぼくはもっぱらユニクロで買っていたが鎌倉シャツというブランドもあるのでぜひ店頭で手に取ってみてほしい。

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4 靴

REGAL(リーガル) ストレートチップ 02 AR BD ビジネスシューズ ブラック 26.0cm

靴はストレートチップという、つま先の部分と本体とのあいだに一直線の縫い目が入っているタイプが基本となる。

 

色は黒が無難。濃い茶色でもビジネスシーンに沿うはずだ。

 

できればオーダーするのが望ましい。リーガルシューズがオススメ。パターンオーダーもやっている。

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5 ベルト

ベルトは靴の色に合わせること。黒い靴であれば黒いベルト、濃い茶色の靴であれば濃い茶色のベルトということだ。

 

なお、お腹がポッコリと出ている体型の人はサスペンダーを使うことも検討してほしい。体型が太めの人はどうしてもズボンがずり落ちてくるが、サスペンダーであればそのようなことを防ぐことができる。見た目もスッキリして好印象だ。

6 ネクタイ

 これについては各自にお任せしたい。個人的に使っていたのは青系統や焦げ茶色のネクタイである。濃紺や濃いグレーのスーツと相性がよかった(と個人的に思っていた)。

7 ポケットチーフ

ぼく自身はやったことがないし、ぼくの周りでもやっている人をみたことがない。

 

しかし、TVフォールドというポケットチーフが一直線にポケットからのぞくさし方があり、これをやるとスーツの袖からのぞいているシャツと相まって清潔感と品格を格段にあげることができる。

 

朝にテレビのニュースをみていると多くのアナウンサーがやっていて、やはり爽やかな印象を受ける。

 

職場の雰囲気が許すようであれば試してみる価値はあるだろう。

8 オススメするスーツ

 以上を踏まえてぼくがオススメするスーツはマッキントッシュフィロソフィーのトロッタージャケットNoゼロおよびセットアップで合わせるパンツである。

 

セットアップなので上半身と下半身に合ったサイズのものを選ぶことができる。体型に合わせやすいのだ。また、パンツも二本購入することができて経済的。値段もそれほど高くない。

 

しかもこのジャケットとパンツは100パーセントポリエステルの生地なので、多少の汚れであれば自宅でお湯で落とせてしまう。僕もこのジャケットとパンツを愛用していたが、パンツにいたってはネットに入れて洗濯機で洗濯していたものだ(あまり真似しないほうがいいだろう)。

 

色はネイビーとグレーがあるが、ネイビーが圧倒的にオススメ。

9 番外編

 ところで、シャツのえりやそでの汚れは誰しもが気になるだろう。この汚れに絶大な力を発揮するのがこのウタマロ石鹸である。

他社の石鹸や液体タイプのものを試したことがあるが、これが一番よかった。使い方はえりやそでをお湯につけて石鹸を塗ったあと、生地同士を少しこすって泡立たせ、あとは洗濯機に放り込むだけである。ぼくもよくお風呂に入りながらこの作業をしていたものだ。

 

最近、家の近くのスポーツショップでもレジ脇にこの石鹸を置くようになった。店員に話を聞いたら、子どものユニフォームの土汚れがよくとれると言ってお母さん方が頻繁に買っていくそうだ。

最後に

体型に合っていないスーツを着ていたり、ビジネスシーンにそぐわないスーツを着ている人を見かけるたびに本当にもったいないことだと感じる。こういったことが評価されることは決してない。損をするだけだ。

 

これが就活生であれば採用担当者から軽く見られてもしょうがないだろう。逆に言えば、多くの就活生が格好まで気を配っていないので、こういったところで差をつけることができるわけだ。

 

春という季節には凛々しいスーツ姿がよく似合う。これから就職する人もすでに就職した人も爽やかな格好で仕事もプライベートも楽しもうではないか。