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Capitalismのあらしの夜にウェーバーの夢をみる

Max Weber for PIFAL

 マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読み始めたんですが、これがものすごく面白くて、どうして面白いかっていうと書かれてある内容を理解することができるからなんですね。

 

 なんでもそうだと思うんですけど、できるようになったり理解できるようになったりするとものごとって俄然おもしろくなってきます。ただ、最初からできるようになったり理解できるってことはほぼないんで、そういう状態になるまでは気の遠くなるような基礎練習をしなくちゃならないんですけど。

 

 ぼくがこの本を手にとったのは大学生のときで、そのときはもう何が何やらまったくわかりませんでした。社会学に興味があってウェーバーのほかにも、レヴィ・ストロースとかマルセル・モース、エミール・デュルケムなんかもちょこちょこ手をだしていたんですけどほとんど理解できなくて学者になるのは無理そうだなって思いました。

 

 そうやって若いころに挫折をした思い出深い本のなかにこの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』があるんですが、どうやら翻訳もぼくにはあわなかったみたいです。

 

 ぼくが読んだのは大塚久雄さんという方が翻訳した岩波文庫のバージョンで、さっきも言ったとおりチンプンカンプンでした。

 

 ぼくが今読んでいるのは日経BPクラシックスのバージョンです。

 

 翻訳のことはさておき、ぼくの知識量もぜんぜん足りなかったんですよね。とくにキリスト教についての。

 

 キリスト教っていうのはユダヤ教の流れを汲んでいて、キリスト教とユダヤ教の違いっていうのが、イエス・キリストがいるかいないかっていうところが最重要のポイントで。そもそもキリスト教ってエジプトに近いシナイ半島とかあのあたりで広まった教えのはずなのにどうしてキリスト教の権威がローマにあるんだろう、ローマ教皇とかってなんなんだろうって思ったりして。別の本を読んで、たしかに聖地はエルサレムなんだけど、長い間、異教徒に占領されちゃってたんで、キリストの弟子の一人であるペテロってひとが埋葬されているローマを聖地にしたんだって話を読んだりして納得して。

 

 聖母マリアっていうのももともとの聖書には書かれてなくて、ただ、キリスト教が広まっていく過程でその土地その土地にもとからあった信仰と合体、折衷した結果うまれてきたものなんだってこともどこかで読んだりして。おかしいと思ってたんですよね、どうしてお母さんのマリアが信仰の対象になってるんだろうって。イエス・キリストは神(神の子)なんだから、別にお母さんをおがまなくたっていいだろうと。

 

 中世ヨーロッパで宗教改革っていう原理主義的な運動、つまり、こういった教皇とか聖母マリアっていうのは聖書のどこにも書かれてないじゃないか、聖書に書かれてあることに戻ろうっていう運動があって、その運動はルターとかカルヴァンっていうひとが関係していて。この宗教改革ででてきた原理主義的なキリスト教がプロテスタントって呼ばれているもので、このプロテスタントがイギリスではピューリタンになって。でも、清教徒革命によって生まれた社会体制はそんなに長続きしなくて、そんな清教徒、ピューリタンが向かったのがアメリカ大陸なんですよね。このプロテスタント系の流れを汲んでいるのがアメリカの共和党の支持層らしいです。人工中絶とか反対している人たちですね。

 

 そして、この『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読み解くのに絶対に必要なのがカルヴァンの予定説を理解することで、この予定説っていうのが何かっていうと救済されるかどうかはもうあらかじめ決められていることで、それは人間がいくら信心深い生活をしても変わらないって考え方です。神は翻意しないんですね。最初は救うつもりはなかったけど、ずいぶん信心深い生活をしているからやっぱり救うことにした、そんなことは絶対に起こらない。

 

 救済されるかどうかはあらかじめ決まっていることである。

 

 あらかじめ救済されることが決まっているならいくら信心深い生活をしようが無駄である、そんなら勤勉に働かないで享楽的な生活を送っていたほうがましだ・・・。そうはならないんですね。逆に、自分が救済の対象となっているかどうか不安になる。「天職」に打ち込む。これだけ打ち込んでるんだから、きっと自分は救済の対象になっているはずだ。怠けていると不安になる。働く。安心する・・・。こんな循環がはじまって予定説を信じた人間は気が狂ったように働き続ける。人類史上最強のワーカホリックが誕生して、これこそが近代資本主義を誕生させた「プロテスタンティズムの倫理」である。

 

 と、まあこんなことが書かれているわけなんですが、かなり乱暴に、しかも適当に話をしているんで、正確性についてはご容赦ください。