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「ちょうどいい」クオリティの仕事って難しいと思います

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 いったい、何がどうすれば「完成」したと言えるのか。けっこう難しい問題です。

 

 ぼくはアニメとか漫画が好きなので、テレビの対談やインタビューの番組で漫画家やアニメの制作現場がでてくると食い入るように見るんですが、当たり前ですけどかれらはみんな絵がうまい。

 

 で、ネームとか絵コンテってのがあるんですけど、これだけでも充分に楽しめたりするんですよね。彼らはそのあと、膨大な手間暇をかけて作品を「完成」させていくんですけど、鉛筆で書かれた、生の感じがでてる線の絵だけで十分に面白い。

 

 本当に「完成」させる必要があるのかどうか。こういった分野で仕事をしている人たちは一度よく考えたほうがいいと思います。

 

 よくある話なんですけど、電気メーカーの技術屋さんが凝りに凝って高性能の製品をつくったりして、結果として値段がすごく高くなっちゃって、そもそも消費者のほうはそんな高機能じゃなくて必要な機能だけそろってればいいから、もっと安いのが欲しかったりする。

 

 書店で小説とかたくさん並んでますよね。あれは、400字詰めの原稿用紙に換算すると300~400枚くらいになりますか。こうやって忙しい生活してると、とても読めないですよね。漫画なんかはすぐ読めちゃうんで気分転換というか気晴らしになりますけど、小説ってちょっと長すぎるような気がする。

 

 でも、書いているひとや出版社側は300~400枚くらいで「作品としての完成度を保った」っていう意識があると思います。ぼく、作家の友達とか出版社の知り合いがいないんであくまで予想ですけどね。

 

 サービスを受ける側が必要としていないのに、過度にクオリティをあげて、結果としてサービスを受ける側は高いお金を払ってそれを手に入れる。もしくは、そこまでの対価を払う価値はないと判断して売り上げが落ちていく。

 

 別にクオリティの低いものを量産しろと言ってるんじゃないんです。そういう話をしているわけではない。

 

 なんというか、もっと人々が何を求めているのかっていうことを、織り交ぜたほうがいいんじゃないんですかね。そうかといって、自分ではちっともいいものだと思っていないくせに、「まあ、こういうものつくっときゃウケるだろ」なんていう態度でモノとかサービスを提供するのも許せない。

 

 会社更生法の適用を受けたJALですか。安全のためならいくらでもコストをかけていいっていう感じだったらしいですね。たしかに安全なことは大切ですけど、コスト意識も大切です。だって、それはサービスを受ける側が払うことになるんですから。会社とかでも資料づくりとか打ち合わせに湯水のごとく時間と労力をかけるひとがいますけど、本当にそれが必要とされているかどうかってことを、きちんと考えたほうがいい。それは指示を出す上司の側も意識すべきことです。体裁とか見栄とか、そういったどうでもいいものを守るために誰かの人生やお金を無駄にすべきじゃない。

 

 どうも語るのが難しいテーマですね。

 

 ものごとっていうのはちょうどよくなきゃいけないんですよ。不足していてもだめだし、過度なものもいけない。「中庸」っていう言葉がありますけど、バランスって大事だなと。

 

 では、そのバランスをどう見極めるかってことなんですけどね。これは、とてもとても難しい。でも、それができないと生きていけない。それぞれが試行錯誤を繰り返していくなかで体得していくしかないんでしょうけど。

 

 バランスのとれた仕事しか成立しないんじゃないでしょうか。誰も犠牲にならない。誰も無理していない。誰もが適正な労力と時間とお金を費やしている、そんな仕事ができるようになったらいいなって常々思うんですけど。

 

 いまの社会、まあ、昔からそうだったのかもしれませんけど、誰かの犠牲のうえに成り立ってる仕事が多すぎる。相手の無知とかコンプレックスにつけこんでみたり。嘘をついてみたり。ごまかしたり。無駄に時間とお金をかけてみたり。とにかく、そういった余計なものが多すぎる。

 

 もっともっと無駄を省いてシンプルなかたちにしていく。そうすれば、個人の生活や人生は充実するし、社会全体にも活力がみなぎるようになる。

 

 国の政策では経済成長が大事だって言ってますけど、ほんとうにそうなのかどうか。経済成長よりも、時代に合わなくなった政策とか業界とか、そういうものを整理するほうが大切なんじゃないですかね。そういったものを整理していけば、おのずと時代にあった政策や業界がうまれやすくなる。

 

 ソフトランディングなんて、無理ですよ。整理しようと思ったら必ず犠牲がでる。戦争に勝とうと思ったら全員が生き残ることなんて考えちゃいけない。逆に、全員が生き残ろうとすると戦争には勝つことができないし、下手をすると全員が死ぬ可能性が出てくる。

 

 個人の生活においてもそうで、なんでもかんでも贅沢してたらあっという間に破産します。でも、なんでもかんでも切り詰めてたら生活に潤いってものがなくなっちゃう。メリハリが大事なんですよ。

 

 何度も言いますけど、難しいことだと思います。バランスをとったりメリハリをきかせることっていうのは。でも、そうしないと長続きしない。長続きしなければあまり意味がない。人間の人生けっこう長いですからね。少なくとも自分の一生を生きることができるくらいのバランスのとりかた、メリハリのきかせかたぐらいは分かってなくちゃならない。

 

 そんなことを考えながら、今日も生活しています。