手術というものはエンターテイメントにならないだろうか
先日、テレビをみていたらこんな映像にでくわした。
医療関係者があつまる会議で、実際に手術をしている様子が中継映像として流されており、会議の出席者はその映像を注意深くみつめていたのだ。
それをみていたぼくは「手術ってエンターテイメントになるんじゃないか」とふと思った。
以下にこのアイデアの中身をしるしておく。
「料理の鉄人」ならぬ「オペの鉄人」
昔、「料理の鉄人」というテレビ番組があった。ぼくはあまりみたことがないので、詳しくは知らない。
腕におぼえのある料理人をあつめて料理の腕を競わせる。料理をしている最中の料理人にあれやこれやと質問をするし、解説員による解説もはいる。最終的には優劣をきめて勝者を決定する。それら一連のようすをドラマチックに演出してテレビ番組として成立させる。
たしか、そんな番組だったと思う。
この仕組みをそっくり拝借する。
心臓外科なら心臓外科の分野からうでのいい外科医を数人あつめる。
そして、似たような病気のひとを数人あつめてそれぞれの医者がもっとも得意とする方法で手術してもらうのだ。オペの開始時刻はそろえ、終わりについては制限をもうけない(かかった時間については評価基準のひとつとする)。
手術中の質問はあぶないので、後日、映像をもとに手術をした本人に要所要所の解説をしてもらう。解説員による補そくや図・CGによる解説も必要におうじて加える。
そして、あらかじめ定めておいたいくつかの評価項目にしたがって審査員に評価してもらい、最終的に勝者を決定するのだ。
さて、こんなことをして一体どういうメリットがあるのか。それを簡単に書いていこう。
患者のメリット
対象となる患者には、手術中の様子や術後の経過にかんするインタビューを映像として公開することに同意してもらう。
その代わりに手術費用は番組側が負担するのだ。
保険が適用されない手術や適用されても高額となる手術については助かるひとがおおいだろう。
スポンサーのメリット
外科医がふだんからつかっている医療機器のメーカーにスポンサーになってもらう。ある特定の企業に恒常的にスポンサーになってもらうのは癒着をまねくおそれがあるので採用しない。
スポンサーであるメーカー側のメリットは自社および自社製品の宣伝効果である。
医者(外科医)のメリット
自分がよいと信じている方法を宣伝するきっかけとなる。
自分自身の腕をアピールすることで優秀な人材が集まりやすくなったり、よりより病院や研究機関で働くことができるチャンスを得られるかもしれない。
また、「ぜひこの先生にお願いしたい」といって頼ってくる患者さんも多くなるだろう。
教育効果
医者をめざしている学生やいま現在医療に従事している人たちにとっては格好の教材となるだろう。
偏差値の高さではなく、「この技術を身につけたい」と思って志望校を決定する高校生もでてくるかもしれない。
最後に
地上波のテレビ番組の質の低下はひどい有様だが、一方でNETFLIXのような有料のインターネット動画配信サービスのオリジナル動画のクオリティはものすごく高い。
ぼくのお気に入りは「CHEF'S TABLE」という世界の超有名料理店のドキュメンタリーだが、「オペの鉄人」もこのようなサービスで配信するといい。
クオリティが高ければ世界中のひとの目にふれることになるだろう。観光と治療を兼ねたツアーがあるらしいから、そんな目的で日本をおとずれる富豪も増えるかもしれない。